【消火設備】1.消火器 及び 簡易消火器具
消火器
水やその他の消火剤を圧力により放射して初期消火を行う器具で、人が操作する可搬式の消火器具。
【水消火器】
浸潤剤(りん酸塩、硫酸塩、界面活性剤等)が入った水が圧縮空気又は窒素ガスと共に充てんされておりレバーを握ると、ノズルの先から棒状の水が放射される。
水が消火剤であるため浸透性があり安価である。
ただし、凍結のおそれがある場所では不凍結剤を入れる必要がある。
【強化液消火器】
強化液には、炭酸カリウムの水溶液を用いる為アルカリ性が強く、-25℃から-30℃で凝固する。
レバーを握ると、ノズルの先から放射される。
水系であるため浸透性がある。
油火災又は電気火災には噴霧ノズルを使用する必要がある。
【ハロン消火器】
消火薬剤としてハロゲン化物(ハロン1301又はハロン2402)を圧縮空気又は圧縮窒素ガスの圧力により放射するもので、レバーを握るとノズルの先から霧状に放射される。
窒素消火作用と同時に燃焼に対する化学的な制御作用を有し、ガス系であるので細部にまで消火が及ぶ。また、消火後の汚損がほとんどない。
ただ水のように浸透力がないので、再燃防止に注意する必要がある。
【二酸化炭素消火器】
二酸化炭素(CO2)が高圧ボンベに充填されており、レバーを握るとノズルの先から気化放射される。
なお二酸化炭素は長期間に亘り変質や容器の腐食等もなく、放射により消火対象物を汚損する必要はない。
ただし人体に対する影響があるので、小部屋や地下街などでは使用できない。
また再燃防止に努める必要がある。
【粉末消火器】
重炭酸ナトリウム又はリン酸アンモニウムを主成分とし、消火剤を充填後に、窒素ガス又は乾燥圧縮空気と共に密封されており
レバーを握ると、ノズルの先から消火剤(A B C粉末)が放射される。
加圧式と蓄圧式の物がある。
加圧式は、加圧用のガスボンベが容器の内部に設けられている。
【泡消火器】
外筒にアルカリ性のA剤(炭酸ナトリウムを主成分とし、起泡剤を添加した薬剤の水溶液)を入れ、内筒にはB剤(硫酸アルミニウムの水溶液)が入れてある。
使用に際し、容器を転倒させて、内側と外側の薬剤を化学反応させ、発泡した消火剤を放射する。
これを化学泡と言う。
水ほど浸透力がないので再燃防止に努める必要がある。
冬期で5℃以下の場所では使用できない。
ほかに機械泡(蓄圧式)のものもある。
簡易消火器具
水バケツ、水槽、乾燥砂など。