地区音響装置
1.設置基準
地区音響装置は、感知器又は発信機の作動と連動して防火対象物又はその部分の全区域に有効に火災の発生を報知できるように設けること。
(1)設置場所
下図のように、各階ごとに、その階の各部分から1の地区音響装置までの水平距離が25m以下となるように設けること。
(2)音圧
音圧は、取り付けられた音響装置の中心から1m離れた位置で90デシベル以上であること。従って埋込型の場合でも90デシベル以上の音圧が得られるように設けること。なお、音声を発するものにあっては、92デシベル以上の音圧であること。
2.鳴動方式
(1)一斉鳴動
防火対象物又はその部分に設置された地区音響装置を、感知器又は発信機の作動と連動して一斉に鳴動させる方式である。
(2)区分鳴動
地階を除く階数が5以上で延べ面積が3000㎡を超える防火対象物又はその部分にあっては、次のア、イ、ウに示す階に限って警報を発することができること。この場合において、一定の時間が経過した場合又は新たな火災信号(他の警戒区域からの火災信号等、発信機及び火災の発生を確認した旨の信号)を受信した場合には、当該防火対象物又はその部分の全区域に自動的に警報が発することができること。この場合において、一定の時間の時間とは、防火対象物の用途、規模等並びに火災確認に要する時間、出火階及び、その直上階からの避難が完了すると想定される時間等を考慮し、概ね数分とし、最大10分以内とする。なお、音声により警報を発する場合は、上記鳴動方法又は、当該地区音響装置を設置した防火対象物又はその部分の全区域に火災が発生した場所を報知することが出来るものであること。(平成9年6月30日 消防予第118号)
ア.出火階が、2階以上の階にあっては、出火階及びその直上階
イ.1階の場合にあっては出火階、その直上階及び地階
ウ.地階の場合にあっては出火階、その直上階及びその他の地階
下図(a)、(b)、(c)、(d)は、区分鳴動の方法を示したものである。
なお、区分鳴動方式の場合は、原則として階段、傾斜路、エレベーター昇降路又はパイプダクト等に設置した感知器の作動と連動して、地区音響装置を鳴動させないこと。(昭和48年10月23日 消防予第140号)
3.施工方法
音響装置は、音響効果を防げないように十分注意し、かつ、確実に取り付けること。なお、雨水のかかるおそれのある場所に取り付ける場合は、配線等(ボックス)に雨水が侵入しないように措置すること。
[露出型]
下図(a)は、埋込配線を用いてベルを露出で設置した例を示したものであり、下図(b)は、スピーカーを壁掛型の例を示したものである。
[埋込型]
下図(a)は、専用の埋込ボックスを用いて設置した例を示したものであり、下図(b)は、スピーカーを天井埋込にした例を示したものである。
なお、屋内消火栓設備が設置されている場合は、消火栓箱の上部の機器収容箱内に収容される場合が一般的である。