煙感知器(光電式分離型感知器)
光電式分離・光電アナログ式分離型感知器
1.設置基準
・感知器の受光面は、日光を受けないように設けること。
・下図のように感知器の光軸(感知器の送光面の中心と受光面の中心とを結ぶ線をいう)が、平行する壁から0.6m以上離れた位置となるように設けること。
・感知器の送光部及び受光部は、下図のようにその背部の壁から1m以内の位置に設けること。
・感知器を設置する区域の天井等(天井の室内に面する部分又は上階の床若しくは屋根の下面をいう。以下同じ)の高さが、20m未満の場所に設けること。
・天井等の高さが15m以上20m未満の場所に設けるものは1種、アナログ式にあっては1種相当のものとすること。
・感知器の光軸の長さが、下図のように当該感知器の公称監視距離の範囲内となるように設けること。なお、光軸の長さは、感知器のレンズ面を基準とすること。
・感知器は、壁によって区画された区域ごとに、下図のように当該区域の各部分から1の光軸までの水平距離が7m以下となるように設けること。
・送光部を同一方向にする場合は隣接する感知器に影響を与えないようにすること。
・感知器の光軸の高さは、下図のように天井等の高さの80%以上となるように設けること。
2.施工方法
感知器の付近に有害な電磁波を発する機器が設けられていないこと。
・感知器の取付け
感知器(送光部又は受光部)本体を取付けるための取付け金具は、壁付用と天井付用とがあるが、その取付け方法及び取付金具に感知器本体を取付ける方法についても、メーカーによって異なるので、それぞれ指定された方法により取付けること。
・光軸の調整と作動確認
光軸の調整は、本体後方から調整することができる場合と、壁付の場合などでは本体の後方から調整することができず、側方から調整する場合もあるが、調整及び作業確認方法の詳細は、各メーカーによって異なるので、それぞれ指定された方法によって、確実に行うこと。
3.特殊な形状の天井等に対する感知器の設置
傾斜等がある天井等凹凸がある壁面を有する防火対象物等に感知器を設ける場合については、前記1.の設置基準によるほか、次によること。(昭和62年11月13日 消防予第193号)
(1)傾斜等がある天井等の場合
・傾斜形天井等(切妻、片流れ、のこぎり、差掛、越屋根等の形状を有する屋根の下面等をいう)における監視区域の設定
傾斜形天井等(越屋根の形状を有するものを除く)に感知器を設置する場合は、1の感知器の監視区域(1組の感知器が火災を有効に感知することのできる区域で、光軸を中心に左右に水平距離7m以下の部分の床から天井等までの区域をいう)を、まず天井等の高さが最高となる部分を有効に包含できるように設定し、順次監視区域が隣接するように設定していくこと。ただし、天井等の高さが最高となる部分の80%の高さより、軒の高さ(建基令第2条第1項第7号)が高い場合は、この限りではない。
感知器の設置例
・傾斜形天井の例
軒の高さ(h)が天井等の高さの最高となる部分の高さ(H)の80%未満(h<0.8H)となる場合。下図はその設置例を示したものである。
軒の高さ(h)が天井等の高さの最高となる部分の高さ(H)の80%以上(h≧0.8H)となる場合。この場合の例においては、光軸の設定は、棟方向と直角としてもよい。
・のこぎり形天井等の例
軒の高さ(h1、h2)が天井等の高さの最高となる部分の高さ(H1、H2)の80%未満(h1<0.8H1、h2<0.8H2)となる場合。下図はその設置例を示したものである。
軒の高さ(h1、h2)が天井等の高さの最高となる部分の高さ(H1、H2)の80%以上(h1≧0.8H1、h2≧0.8H2)となる場合。下図はその設置例を示したものである。
・差掛形天井等の例
軒の高さ(h1、h2)が天井等の高さの最高となる部分の高さ(H1、H2)の80%未満(h1<0.8H1、h2<0.8H2)となる場合。下図はその設置例を示したものである。
軒の高さ(h1、h2)が天井等の高さの最高となる部分の高さ(H1、H2)の80%以上(h1≧0.8H1、h2≧0.8H2)となる場合。下図はその設置例を示したものである。
・越屋根を有する傾斜形天井等における監視区域の設定
越屋根を有する傾斜形天井等の場合
越屋根部の幅が1.5m以上の場合は、天井等の傾斜にかかわらず、下図のように当該越屋根部を有効に包含できるように監視区域を設定するとともに、順次、監視区域を隣接するように設定すること。
ただし、越屋根が換気等の目的に使用するものにあっては、下図のように当該越屋根部の基部にそれぞれ光軸が通るように監視区域を設定すること。
越屋根部の幅が1.5m未満の場合は、下図のように天井等の傾斜にかかわらず、当該越屋根を支える大棟間の中心付近に光軸が通るように監視区域を設定するとともに、順次、監視区域を隣接するように設定すること。
・アーチ、ドーム形の天井等における監視区域の設定
アーチ形天井等の場合は、下図のように監視区域をアーチ形天井等の高さが最高となる部分を有効に包含できるように設定し、順次、監視区域を隣接するように設定していくこと。
ドーム形天井等の場合、当該感知器の光軸がドーム形天井等の各部分の高さの80%以上に収まり、かつ、未監視区域を生じないように設置すること。
(2)凹凸がある壁面の場合
・監視区域の設定
監視区域を設定する場合、凹凸がある壁面と光軸との水平距離は、下図のように当該壁面の最深部から7m以下とすること。
この場合、凹凸の深さが7mを超える部分にあっては、下図のように未監視部分が生じないように当該部分に、スポット型感知器等を設けること。
(3)感知器の公称監視距離を超える空間の場合
・光軸の設定
感知器の公称監視距離を超える空間に感知器を設置する場合は、下図のように未監視部分が生じないように光軸を連続して設定すること。
ただし、感知器の維持、管理、点検等のために天井等の部分に通路等を設ける場合は、下図のように隣接する感知器の水平距離は1m以内とすること。
4.感知器の設置上の留意事項
感知器の設置については、1の設計基準によるほか、次に揚げる事項に留意すること。
・感知器の光軸の高さは、下図(切妻形の例)のように天井等の各部分の高さの80%以上に収るように設定すること。
・感知器は、壁、天井等に確実に取付けるとともに、衝撃・振動等により、容易に光軸がずれないよう措置を講じること。
・隣接する監視区域に設ける感知器の送光部及び受光部は、相互に影響しないように設けること。