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株式会社ミナカミ

配 線

1.名機器の電線所要本数

各機器と受信機機間の電線主要本数は、メーカーによって若干相違があるが、おおむね次のとおりである。

(1)P型1級受信機と各機器間

スポット型感知器間(熱・煙及び炎感知器で多信号機能を有しないもの)
下図のように表示線(又は信号線)及び共通線の2本

差動式分布型感知器間(多信号機能を有しないもの)(2本又は3本
下図のように表示線及び共通線の2本が標準であるが、電話線を加えて3本とする場合もある。

光電式分離型感知器間(多信号機能を有しないもの)
下図のように、受信機と受光部間は3本、受光部と送光部間は2本が一般的であるが、付属機能の付加等によって、電線所要本数は相違がある。

複合式スポット型感知器
下図のように、2信号機能の場合は表示線2本、共通線1本の3本が一般的である。

P型1級発信機間(4本
下図のように表示線、共通線、電話線、応答線の4本となる。

地区音響装置
ベル一斉鳴動方式(2本

ベル区分鳴動方式(鳴動区域数+1本
下図のように鳴動区域数+ベル共通線1本となる。

スピーカーの一斉鳴動方式又は区分鳴動方式
下図のように配線は階ごとに設けるとともに、単独配線とすること。

表示灯間(2本
下図のように表示灯線2本となる。

副受信機(表示機)間(回線数+6本又は7本
表示線(回線数だけ必要)、共通線、ベル線(2本必要な場合もある)、電話線、電話呼出線、+線及び-線で、基本は表示線+6本又は7本となる。

移報器(消火栓連動)間(3本又は4本
下図のように始動線、始動灯線、共通線(2本必要な場合もある)の3本又は4本となる場合もある。

(2)P型2級受信機と各機器間

スポット型感知器(熱・煙及び炎感知器で多信号機能を有しないもの)間(2本
下図のように表示線及び共通線の2本

差動式分布型感知器(多信号機能を有しないもの)間(2本
下図のように表示線及び共通線の2本

光電式分離型感知器(多信号機能を有しないもの)間
下図のように、受信機~受光部間は3本、受光部~送光部間は2本が一般的であるが、付属機能の付加等によって電線所要本数は相違がある

複合式スポット型感知器
下図のように、2信号機能の場合は、表示線2本、共通線1本の3本が一般的である。

P型2級発信機間(2本
下図のように、表示線と共通線の2本となる。なお蓄積式の受信機を使用する場合は、蓄積解除線を発信機から受信機まで追加する。また、消火栓連動の場合は、受信機を経由して移報器まで1本追加して3本とすること。

地区音響装置

・ベル一斉鳴動方式(2本

・スピーカーの一斉鳴動方式又は区分鳴動方式
下図のように、配線は階ごとに設けるとともに、単独配線とすること。

表示灯間(2本
下図のように表示灯線2本となる。

副受信機(表示機)間(回線数+3本又は4本
表示線(回線数分)、ベル線(2本以上必要な場合もある)、+線及び-線で基本は表示線+3本又は4本となる。

移報器(消火栓連動)間(3本又は4本
下図のように始動線、始動灯線、共通線(2本必要な場合もある)の3本又は4本となる場合もある。

(3)R型受信機

受信機、中継器及び感知器間の電線本数はメーカーによって相違があるので、各メーカーの技術資料等によって確認する必要がある。 なお、伝送線の距離・抵抗・静電容量については留意すること。

2.共通線のとり方

下図のように共通線は、1本につき7警戒区域以下となるようにすること。
ただし、R型受信機に接続される固有の信号を有する感知器又は中継器が接続される感知器回路にあってはこの限りではない。

3.耐火・耐熱保護の範囲

(1)耐火保護の範囲

非常電源(非常電源専用受電設備又は蓄電池設備)から受信機または中継器までの配線

(2)耐熱保護の範囲

耐熱保護の範囲は次の範囲とする。

受信機から地区音響装置までの配線

・発信機の直近に設ける表示灯の配線(発信機が他の消防設備等の起動装置を兼用する場合)

受信機から移報器(消火栓連動用等)までの配線

・R型受信機に接続される固有の信号を有する感知器及び中継器から受信機までの配線

4.耐火・耐熱保護工事

自動火災報知設備の耐火・耐熱保護工事を必要とする配線の範囲は、耐火・耐熱保護の範囲に示すところによること。

(1)耐火保護工事

[電線の種類]
非常電源回路に用いる電線は、600V二種ビニル絶縁電線又はこれと同等以上の耐熱性を有する電線を使用すること。
下表は、600V二種ビニル絶縁電線(HIV)及びこれと同等以上の耐熱性を有するとされた電線である。

[配線の方法]

・耐火構造とした主要構造部に埋設する場合
上表に示す電線のうち、MIケーブル、耐火電線を除き、金属管、2種可とう電線管又は合成樹脂管に収め耐火構造で造った壁、床等に埋設するものとし、その埋設する深さは下図のように壁体等の表面から10mm以上とすること。

なお、埋設する深さを20mm以上とした場合は合成樹脂管工事とすることができる。

・耐火構造とした主要構造部に埋設することが困難な場合
上表(a)に示す電線のうち、MIーブル、耐火電線を除き、金属管工事、2種可とう電線管工事とし、当該金属管、2種可とう電線管を下図のように、
厚さ15mm以上のガラスウール、ロックウール、けいそう土、モルタル等で容易にはずれない方法で保護すること。ただし、耐火性能を有するパイプシャフト、ピット等に敷設する場合で、他の電線との間に不燃性隔壁(相対する電線の直径以上の高さ)を堅ろう取付け、又は15cm以上の離隔距離を常時保持できるように敷設した場合は、金属管又は第2種可とう電線管を使用しないことができる。

・MIケーブル又は耐火電線を使用する場合
MIケーブル又は消防庁長官が定める基準に適合する耐火電線を使用し、端末及び接続部を各電線ごとに定められた耐火保護を行った場合には、露出配線とすることができる。

耐火電線の基準:耐火電線の基準は、平成9年12月18日 消防庁告示第10号によって告示され、(一社)電線総合技術センターで認定試験を行い、認定合格品には、次の表示が付されている。
 トウロクニンテイキカン JCTニンテイFP-C(NH) 製造者名・製造年・製品名称
 トウロクニンテイキカン JCTニンテイFP(NH) 製造者名・製造年・製品名称

[開閉器の保護]
非常電源の開閉器は、金属性のボックス等、不燃性の材料で造られた耐熱効果のある箱に収納するか、コンクリートで造られた耐火効果のある場所に設けること。

[配電盤・分電盤]
低圧で受電する非常電源専用受電設備の配電盤又は分電盤(以下「配電盤等」という)は、設置場所に応じて第1種配電盤等又は第2種配電盤等とし、
消防庁長官が定める基準に適合する配電盤等を用いること。なお、配電盤及び分電盤の基準は、昭和56年12月22日 消防庁告示第10号によって告示され、
(一社)日本電気協会の非常用配電盤等認定委員会で、認定を受けた配電盤等は認定証票が貼付されている。

[キュービクル式受電]
高圧又は特別高圧で受電するキュービクル式非常電源専用受電設備は、消防庁長官が定める基準に適合するものを用いること。
なお、キュービクル式非常電源専用受電設備の基準は昭和50年5月28日 消防庁告示第7号によって告示され、(一社)日本電気協会のキュービクル式非常電源専用受電設備認定委員会で認定を受けたものは認定証票が貼付されている。

(2)耐熱保護工事

[電線の種類]
耐熱保護を必要とする回路に用いる電線は、600V二種ビニル絶縁電線又は下表に示すこれと同等以上の耐熱性を有する電線を使用すること。

[配線の方法]

・金属管工事等
配線は、金属管工事、第2種可とう電線管工事、金属ダクト工事又はケーブル工事(不燃性のダクトに布設するものに限る)により設けること。

・露出配管
消防庁長官が定める基準に適合する耐熱電線・耐火電線及びMIケーブルを使用し、端末及び接続部を各電線ごとに定められた耐熱保護を行った場合には、露出配線をすることができる。なお、耐熱電線の基準は、平成9年12月18日 消防庁告示第11号によって告示され、(一社)電線総合技術センターで認定試験を行い、認定合格品には次の表示が付されている。

耐熱電線の表示例
 トウロクニンテイキカン JCTニンテイHP(NH) 製造者名・製造年・製品名称

5.耐火・耐熱電線の接続方法(耐熱型閉端続子工法を含む)

耐火電線、耐熱電線について、その接続に関する具体的な工法を次に示す。
なお、耐熱型閉端接続子の使用にあたっては製造元の取扱い要領によること。また圧着は専用工具を用いること。
※この接続工法については、平成10年7月31日 消防予第123号により一部抜粋したものである。なお、平成13年3月30日 消防予第103号にて廃止されているが、適正な工法であるため引き続き例示することとした。

(1)耐火電線接続標準工法

・ボックス内接続工法(金属製ボックス)

・テープ巻式単直線接続工法

・テープ巻式多直線接続工法

・テープ巻式単分岐接続工法

・射出成形方式単分岐接続工法

・射出成形方式多分岐接続工法

・収縮チューブ方式単直線接続工法

・収縮チューブ方式多直線接続工・/TD>

・収縮チューブ方式単分岐接続工・/TD>

・収縮チューブ方式多分岐接続工・/TD>

(2)耐熱電線接続標準工法

・テープ巻式直線接続工法

・テープ巻式分岐接続工法

・ボックス内直線接続工法

・ボックス内分岐接続工法

(3)耐熱型閉端接続子工法

・ボックス内直線接続工法

・ボックス内分岐接続工法

・露出配線接続工法

・天井裏隠ぺい配線接続工法

6.電線所要本数の計算方法

前記の受信機から各機器までの電線所要本数を、P型1級設備系統図を例にまとめたものが下図である。一回線に感知器、発信機、ベル、表示灯が設けられた場合の電線所要本数は、

8本が必要となる。以下回線数が増加するごとに、表示線が追加される。表示線が7本を超えた時点で共通線を1本追加し、以後7回線以下ごとに1本とする。なお、地区ベルが区分鳴動方式の場合は、各階ごとにベル線が1本追加されることになり、又スピーカーの場合は各階ごとに2本となる。

7.電線の接続

(1)接続方法

電線の接続方法は、次のような点に注意して行うこと。

・接続点の電気抵抗を増加させないようにすること。

・接続部分の絶縁性は他の部分と同等以上になるように処置すること。

・電線の接続は、ハンダ付け、スリーブ、圧着端子等により堅固に接続すること。

・接続の際に被覆をはぎ取る場合は、芯線にきずを付けないこと。

・湿気の多い場所では、自己融着性テープを使用することが望ましい。

(2)端子盤との接続

ケーブルと端子盤との接続

・接続は原則として、下図のように受信機側(1次)左、感知器側(2次)を右とする。

・1次側、2次側のケーブルには、系統を明記した名札を取付けること。

・端子盤の位置は維持管理のし易い場所を選び、他の盤と並ぶ場合は取合いを考慮して決めること。

・端子盤には、火災報知設備用端子盤と明示しておくこと。

8.配線の種類

電線

・屋内配線(耐火・耐熱電線保護の範囲のものを除く)などに用いる電線は、下表に掲げるもののいずれか、又はこれと同等以上の性能を有するものであること。

・地中配線、架空配線及び屋側配線に用いる電線は、上表に示すもののいずれか、又はこれと同等以上の性能を有するものであること。

・非常電源回路に用いる電線の種類、下表(a)、耐熱保護に用いる電線の種類は下表(b)によること。

9.配線施工方法

(1)一般事項

配線は、電気工作物に係る法令の規定によるほか、次の各号に適合するものであること。

・常時開路式の感知器の信号回路は、容易に導通試験が出来るように、その回路末端に発信機、押しボタン又は終端器等を設けること。

・感知器の信号回路の配線は、送り配線とすること。

・電源回路と大地との間及び電源回路の配線相互間の絶縁抵抗は、直流250Vの絶縁抵抗計で計った値が、電源回路の対地電圧が150V以下の場合は0.1MΩ以上、電源回路の対地電圧が150Vを超える場合は0.2MΩ以上であり、感知器回路(電源回路を除く)及び付属装置回路(電源回路を除く)と大地との間並びにそれぞれの回路の配線相互の間の絶縁抵抗は、1の警戒区域ごとに直流250Vの絶縁抵抗計で計った値が0.1MΩ以上であること。

・自動火災報知設備の配線に使用する電線と、その他の電線とは、同一の管、ダクト(絶縁効力のあるもので仕切った場合は、その仕切られた部分は別個のダクトとみなす)若しくは線ぴ又はプルボックス等の中に設けないこと。ただし、60V以下の弱電流回路に使用する電線にあっては、この限りではない。

・P型受信機及びGP型受信機の感知器回路の配線の共通線は、共通線1本につき7警戒区域以下とすること。

・P型受信機及びGP型受信機の感知器回路の電路の抵抗は、50Ω以下となるように設けること。

(2)送り配線

感知器の配線は、下図(b)、(d)の実体図に示すように1極につき2個ある端子(リード線の場合もある)を用いて送り配線とし、1個の端子に2本の電線を締め付けないこと。
ただし、感知器の配線が感知器若しくは発信機からはずれた場合又は配線に断線があった場合に受信機が自動的に警報を発するものにあってはこの限りではない。なお、下図(a)、(c)は送り配線とした感知器の配線本数を示した配線図である。

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